実際の老後コストが知りたい
一説によると老後資金は3,000万円といわれておりますが、その額で本当に大丈夫なのでしょうか?
これは一般的に会社を定年退職後、公的年金以外の収入が無くなり、その不足分を預貯金で補っていく事を指しております。
2013年に発表された総務省の家計調査報告によりますと、夫65歳以上 妻60歳以上の1カ月の支出は約25万円でした。
ここでは典型的なモデルとして
<モデルA>
・夫、妻の2人暮らし
・共に65歳
・厚生年金がもらえる
・それぞれ平均寿命(男性81歳、女性87歳)を全うする
という前提をベースにシミュレーションした場合について考えてみましょう。
*65歳以降夫婦共に暮らす年数 X 年間支出
16年 X 25万円 X 12カ月 = 4,800万円
*夫の死後、妻一人で暮らす年数 X 年間支出
7年 X 15万円 X 12カ月 = 1,260万円
65歳夫婦の老後総支出額 6,060万円
反対に唯一の収入が公的年金を月額20万円をベースに試算すると
*65歳以降夫婦共に暮らす年数 X 年間収入
16年 X 20万円 X 12カ月 = 3,840万円
*夫の死後、妻一人で暮らす年数 X 年間収入
7年 X 12万円 X 12カ月 = 1,008万円
65歳夫婦の老後総支出額 4,848万円
65歳夫婦の老後総収支額 ▲1,212万円
一方、これが厚生年金をもらえないケースとなると
<モデルB>
唯一の収入が国民年金のみの月額11万円をベースに試算すると
*65歳以降夫婦共に暮らす年数 X 年間収入
16年 X 11万円 X 12カ月 = 2,112万円
*夫の死後、妻一人で暮らす年数 X 年間収入
7年 X 5.5万円 X 12カ月 = 462万円
65歳夫婦の老後総支出額 2,574万円
65歳夫婦の老後総収支額 ▲3,486万円
となる為、生涯収支がマイナスに転じてしまう結果に。
それぞれのタイプにより額が異なりますが、上記赤字部分の総収支額が老後生活を送る上で準備すべき金額となりますので、通説の3,000万円はあながち間違いではないという事でしょう。