3. もしあなたが認知症になったら?

認知症のリスクと予防対策について
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認知症患者による徘徊や養護施設関連の事故が巷を賑わわせる機会が多く目につく昨今。

本人が望んで認知症を患う訳ではないものの、周囲の身近な家族にとって生活を脅かすような大きな負担となってしまうケースにまで発展する事もあり、国としての保障やサポート体制も十分とは言えない状況です。

描いていた人生プラン一変させるような大きな問題として、高齢化が益々進んでいく中、我々自身がどの様に捉え、向き合っていく必要があるのか?

ここでは

■認知症について

■認知症を予防する為に

■認知症になった場合を想定し備えるべき事

■認知症患者の家族がするべき事、負担を和らげる方法

について述べていきたいと思います。

■認知症について

現在、65歳以上の高齢者に占める認知症にかかっておられる方の割合は2012年の時点で全体で15%、約439万人と推計しております。(出典:「都市部における認知症有病率と生活機能障害への対応」平成22年 厚生労働省調べ)

また85以上の高齢者ではこの割合が25%にまで跳ね上がることがわかっており、年々増加の傾向にあるようです。

せっかく長生きをしても、自身のセカンドライフとしての楽しみや、パートナーの自由な時間まで失う事となっては、幸せな老後のイメージからほど遠いものとなってしまいます。 周囲のサポートが必要となる為、家族に対して経済・肉体・精神的負担も大きく圧し掛かってきます。

認知症にかからない為には、まずその問題を知る事から始まります。

認知症は何が原因となり引き起こされるものなのか?

認知症を予防する為に、日常生活でどの様な事に気を配っていくべきなのか?

を探っていきましょう。

そもそも認知症とは一体どの様なものなのか?

いわゆる加齢による物忘れなのか、認知症なのかを分ける線引きはどこにあるのだろうかその線引きをまず知る事が重要ですね。

脳の発達は20歳までをピークに、以降は徐々に小さくなっていきます。

この流れと同様に記憶力も退化しまう為、”物忘れ”が若い頃に比べて多くなったと感じる原因となります。

この”年齢に伴う物忘れ”と”認知症による物忘れ”の違いについて、以下に例に挙げてみましょう。

あなたは友人Aさんと、4月1日にお花見へ行く約束をしました。

ケース1:何日にお花見へ行く約束をしたのか忘れてしまった=老化による物忘れ(自覚あり)

ケース2:お花見へ行く約束をした事自体を忘れてしまった=認知症による物忘れ(自覚なし)

ケース1の場合、約束した事は覚えており、詳細部分を失念している状態ですが、ケース2の認知症が起因する場合は、約束そのものの存在が記憶から抜け落ちてしまった状態となります。

誰しも年を重ねると多かれ少なかれ物忘れは増えてしまいますが、これはある意味正常な脳の老化・退化の現象です。 しかしながら認知症は脳の病気ですので、もしご家族の方が「もしかしたら・・?」と感じたら早めの検査をオススメ致します。

 

私は大丈夫?! 認知症チェックリスト

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認知症を検査する上で、広く採用されている長谷川式認知症スケール(改訂版)を利用したリストです。

次のリストの順に進め、正解の数とポイントで計算致します。

1. 年齢はおいくつですか? <正解:1点>

2. 今日の日付(年・月・日)と曜日をお答えください。 <正解:各1点 計4点>

3. あなたが居るココはどこですか? <正解:自発的2点、ヒントあり1点>

※ノーヒントで自分から答えられれば2点、答えが出てこず5秒経過したら「ここは、病院ですか?家ですか?それとも施設ですか?」と問い、正しく選択できれば1点。

4. これから言う3つの言葉を言ってください。 後ほど再び聞き直すのでよく覚えておいて下さい(下の系列のいずれか1つを使い、使った系列をチェックしておく)。

【Ⅰ】系列:1.桜 2.猫 3.電車

【Ⅱ】系列:1.梅 2.犬 3.自動車

※問題7まで保留

5. 引き算をして下さい。 <正解:各1点 計2点>

【Ⅰ】100―7は?

【Ⅱ】そこから7を引くと?

※各正解に対して1点を与えるが、最初の引き算の答えを誤った場合、そこで中止し、問題6に進む。

6. これからいう数字を逆から言ってください。 <正解:各1点 計2点>

【Ⅰ】6-8-2

【Ⅱ】3-5-2-9

※最初の逆唱に失敗した場合は、そこで中止し問題7に進む。

7. 先ほどの問題 4 で、覚えてもらった言葉をもう一度言ってください。 <正解:自発的2点、ヒントあり1点>

※ヒントの出し方は、「一つは植物でしたね」という風に与える。その後も「もう一つは乗り物がでしたね」という風に

8. これから5つの品物を見せます。それを隠しますので、何があったか言ってみてください。 <正解:各1点 計5点>

※時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係の物を使うこと。 順番通りに思い出す必要はなし。

9. 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。 <正解:各1点 但し5個以下は0点>

※10秒待って新しい名前が出なくなった時点で終了。

上記の点数合計で

25点以上: 認知症および若年性アルツハイマー病の可能性は低い

21~24点: 認知症および若年性アルツハイマー病の前段階軽度認知障害の可能性あり

16~20点: 軽度認知症の可能性あり

11~15点: 中等度認知症の可能性あり

5~10点: やや高度認知症の可能性あり

4点以下: 高度認知症の可能性あり

という結果となります。

特にスコアが20点以下となった方は、一度医師の診断を仰がれる事とオススメ致します。

 

 

■認知症の種類・特徴とそれらの対策

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アルツハイマー型認知症

特徴:全認知症の約6割を占める。 女性の発症率が高い。 ゆっくりと進行する為、発症時期がわかりづらい。

症状:記憶障害(日付・曜日など)が少し前の記憶から徐々に進行し、単語が思い出せなくなったり分からなくなる。 初期段階では同じ事を何度も言う(聞く)、火元の消し忘れなどの注意力や判断能力の低下が見られる。

対策:対症療法、投薬により病状の進行を遅らせる。

 

脳血管性認知症

特徴:全認知症の約2割を占め、男性の発症率が高い。 脳の血管障害(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)の後遺症として引き起こる記憶障害。 特に脳梗塞はこの病気の7~8割を占める程高い。

症状:まだら認知症とも呼ばれ、しびれ、めまい、言語障害、涙もろくなる等の意欲の低下やうつ傾向が見てとられる。

対策:投薬により病状の進行を遅らせる。 血管障害の再発を防ぐ為、適度な運動に配慮、食生活の習慣を見直す事が重要。 定期的な受診が必要。

 

レビー小体型認知症

特徴:認知症の1~2割を占める、男性の発症率が高い。 大脳皮質や脳幹等の神経細胞にタンパク質が生じる事で起こる認知症。

症状:初期段階として実際には存在しない人やモノが見える”幻視”がある。 進行段階では転びやすい、うつ、怒鳴るなど自律神経の機能低下がみられる。

対策:ある種の薬に対して非常に敏感となる為、医師と相談の上で、投薬を検討。

 

前頭側頭葉型認知症

特徴:前頭葉(言語、感情、理性などをつかさどる)・側頭葉の委縮で引き起こる認知症。

原因:患者数も少なく、解明出来おらず分からない点が多い。

症状:性格が変わる、新たな事柄をマスターできない。 物忘れは少ないが、抑制がきかない行動、甘いものを大量に食べるなど。

対策:治療に有効な薬はない。 しかしながら投薬で行動抑制は可能。 家族が手に負えない場合は迷わず医師に相談の上、協力を仰ぐ事が肝心です。

 

■認知症を予防する為に

食生活の改善

現在、アメリカをはじめ世界中で健康志向が高まる中、日本食が大きなブームとなっております。 普段我々は何気なく口にしているこの日本食には、健康面のみならず認知症の予防にも非常に大きな役割を果たしてくれるのです。

その中でも代表的なものが

魚(特に青魚)

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有名なのはDHA、EPAですが、これらは我々人間の体内で作る事ができない大切な栄養素で、特に青魚に多く含まれています。 これらを積極的に接種する事により、血液流れが良くなる上、脳を活性化致します。

既に動脈硬化をはじめ心筋梗塞、脳梗塞、うつ病そして認知症等に改善効果を発揮する事が確認されています。

緑黄色野菜

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野菜にはビタミン・ミネラルが含まれ、抗酸化力があります。 活性酸素は老化を進める悪玉ですが、脳細胞を守ってくれます。 忙しくてなかなか摂れない時は、ジュースでもOKです。

納豆

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ナットウキナーゼが非常に有名な栄養素として知られていますが、あのネバネバ成分には血栓を溶かせる働きがあります。 認知症の最大の原因の一つである脳梗塞等から予防にも効果があります。

オリーブオイル

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ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル等の地中海沿岸地域では、非常に多くのオリーブオイルを消費します。 抗酸化物質を多く含む地中海料理を摂取するこれらの国々は、美容・長寿・健康で、心筋梗塞などの発症率が他の欧米地域との比較で1/3に満たない事が調査結果で示されております。

アルツハイマー病は脳の委縮と共にアミノイドβなる物質が蓄積し、神経細胞を傷つける原因と考えられています。 そしてオリーブオイルには、このアミノイドβを減らす事が実験結果で判明しておりますので、認知症予防の食品として是非とも取り入れたい一品です。

カレー

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インド発祥の食べ物ですが、今や国民食となっているカレーの成分”ウコン”には、クルクミンというポリフェノールの一種が含まれています。 このクルクミンはアルツハイマーの原因であるアミノイドβタンパクの蓄積を防いでくれるので、オススメの一品。

 
コーヒー

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エスプレッソやカプチーノで知られるイタリアである研究チームがコーヒーの効果について調べたところ、一日あたり2~3杯程度摂取する人が認知症を発症するリスクがコーヒーを飲む習慣が低い人と比較して1/3まで低くなるという結果が出ました。 ”カフェイン”成分が脳を刺激し、認知障害を抑える可能性があるという事ですが、くれぐれも飲みすぎてカフェイン中毒にならないようにしてください。

■推奨される習慣

良く噛んで食べる習慣

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子供には良く噛んで食べなさいと躾けるご家庭が多いですが、この”噛む”という行為自体に人間の”理解力”に深く関係する脳の前頭前野という部分の活動が活発化され

適度な運動

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ウォーキングをはじめ水泳などのスポーツを習慣づけると、認知症の予防につながります。 特に足腰を強くする事で、運動をあまりしない方々より30~50%も低くなる事が分かっています。

激しいものでなくて構いません、運動が苦手な方はラジオ体操から始めて、有酸素運動を習慣に取り入れましょう。

 

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