遺言書作成上において外せないルール
余計な費用を一切かける事なく、手軽かつしっかりと効力を発揮する遺言書作成の方法、”自筆証書遺言” について、成立する為に必要な守るべきルールについてまとめてみました。
遺言書の鉄則
その1. ”遺言書”と明記する
イロハのイ。
何の為の文書なのか、実際読めば察しはつくでしょうが、そこは ”遺言書”。
タイトルからしっかりと明記しましょう。
その2. ”すべて自筆”で文章を仕上げる
面倒だからという理由で、安易に第三者に書いてもらっちゃおうなんて発想はよろしくありません。
加齢や身体上の理由などによって自身で文字が読みにくい、ペンを持つ事が困難、記入する事が出来ない場合は迷わず ”公正証書遺言制度(前項※遺言書に基づく相続手続きの流れを知ろうを参照)” を活用して法的に認められた ”公証人” による代筆を選択肢として考えてみても良いでしょう。
それ相応の費用はかかっちゃいますがね。
その3. ”日付”の記入:記入日の特定ができる事が重要 *複数存在する場合は、記入日により最新のものが有効
遺言書は書こうと思えばそれこそ何度でも作成する事は出来ます。
でも以前と今回書いた内容に違いがあればどうしますか?
そう、一番最近に書かれた文書が有効とみなされるのです。
一方、肝心の日付のない遺言書は、前提条件すら満たしていないので無効扱いとなるリスク大ですよ。
その4. ”氏名”の記入:本人による記入である事の裏付け
これが誰によって書き記された文書なのか?! それを明確に伝える必要があります。
それこそ細部まで全て完璧に仕上げられていて、ただただ氏名を書き忘れただけ・・・では、済みません!!
法的効力を発揮することなく、無効判定されるリスクが高くなる為、絶対に記入する事を忘れない様にしましょう。
その5. ”捺印”の必要性:実印が最も望ましい *拇印やスタンプは望ましくない
「大事な遺言書なので、さすがにスタンプはマズイでしょ~」
多くの方がそう思われるでしょうが、拇印ははナゼ避けるべきなのか?
だって最新のセキュリティーですら、指紋を採用しているシステムのあるのですからね。
結論から申し上げると、過去の裁判事例で ”有効判定” されているので、ダメではありません。
ただ無用な争いの種を残さず、よりスムーズな手続きを考慮するなら、一般的なルールに則って進めるというのが無難でしょう。
その6. ”共同遺言”はNG:夫婦など複数者が存在する場合は、必ず別々の用紙で作成する事
例えば長年人生を共にしたご夫婦による共同の遺言書を作ったとしましょう。
残念ながら、”私たちは2人で1つなのだから当たり前”・・・とはならないので、くれぐれもご注意ください。
実はコレ、民法の1022条(共同遺言の禁止)でNG行為に当たるのです。
その7. ”加除・訂正”を避ける:変更箇所の特定・変更の旨・署名・捺印など煩雑で、後の問題発展リスクが伴う為、一から改めて作成する方がより確実
第1にミスなく遺言書は作成した方が良いにこした事はありません。
しょっちゅう書くものでもないモノでしょうから、その分しっかりと下書き段階で内容をチェックして、清書するというのが良いでしょうね。
最も避けたいのは ”無効扱い” になってしまう事ですよね?
加筆したり、訂正したりと、後で変更を加えた場合、
- 訂正押印
- 二重線
- 署名
等々・・・予め定められているルールを守る必要があります。
そういう事を心配しながら作成するより、新たに作った方がリスクは低くなります。
上記のルールを大前提として、次項にて実際に遺言書のモデルケースを作成してみました。
決して特別に難しい事などございません。
是非コレを参考に一度書かれてみる事をオススメ致します。
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